相続法制改正の解説① 自筆証書遺言の方式が緩和! 何が緩和?注意点は?いつから?

 相続法改正の概要については前回コラムで解説しましたが、今回のコラムと次回コラムにて「遺言制度の見直し」の改正点について、詳しく解説します。

 遺言の改正点は「自筆証書遺言の方式の緩和」「自筆証書遺言の法務局での保管制度の創設」の2点。今回は「自筆証書遺言の方式の緩和」について詳しく見ていきましょう。

1.何が緩和されたのか

 自筆証書遺言は、改正前までは「全文」を自書しなければいけませんでした。これが今回の改正により、一部自書でなくても良くなったわけです。

 では、何が自書でなくてよくなったのか。

 具体的には、相続財産について「目録」等を添付する際、その財産目録等自書しなくても良くなりました

 パソコンで財産目録を作成することはもちろん、不動産の登記事項証明書(いわゆる「登記簿謄本」)や、預貯金通帳の写し等を添付する方法でも構いません。

・実際の記載例→記載例1記載例2(いずれも法務省HPに掲載されている参考資料に移動します)


2.注意点は何か

 ただし、財産目録等を自筆しない場合は、下記の2点に注意しましょう。

【注意点1】自書しない目録等をつける場合は、その目録等のページ毎(両面に記載している場合は、両面)に署名・押印が必要です。

【注意点2】財産目録等を「添付」する場合、自書でなくて良いとされていますので、遺言本体とは別の用紙で作成される必要があります。すなわち、本文と同一の用紙に自書によらない記載をすることはできません。


3.いつから施行されるのか

 平成31年1月13日から、すなわち既に施行されています。

 ただし、改正日より前に作成された自筆証書遺言は、従来どおり全文自書する必要がありますので、注意が必要です。




 私も、お客様から「不動産や預貯金の細かい内容まで正確に書かないといけないなんて大変だ。」と言われたことが何度かあります。これからはパソコン等で財産目録が作成できるようになるので、遺言者(お客様)の負担を減らすという意味では、とてもありがたい改正になりました。

 次回コラムでは「自筆証書遺言の法務局での保管制度の創設」について解説していきます。


【参考:本HPの関連ページ】

自筆証書遺言

2019年01月25日