公正証書遺言 ~手続きの流れ、メリット、デメリット~

 公正証書遺言とは、「遺言者が、2人以上の証人の立会のもと、公証人に遺言の趣旨を伝え、公証人がこれを筆記し、遺言者及び証人が、その筆記について正確である旨を署名・押印し、公証人も署名・押印をした遺言」とされております。イメージとしては「証人立会のもと、公証人と一緒に作る遺言」ととらえていただければ分かりやすいでしょう。

公正証書遺言のイメージ

 

 本ページでは公正証書遺言の手続きの流れ及びメリット・デメリットについて解説していきます。


【本ページの目次】


公正証書遺言の手続きの流れ

 公正証書遺言の作成の手続きの流れの概略は、下記のとおりです。


1.必要書類の収集/遺言内容の検討

 必要書類(遺言者の印鑑証明書、相続人の戸籍謄本、相続財産の資料等)を収集します。併せて、遺言の内容を検討し、文案を作成します。


2.公証人との事前打ち合わせ

 検討した遺言内容(文案)や収集した資料について、公証人と事前に調整します。(予め公証役場へ電話を入れ、打ち合わせ日時を予約します。また、その際に打ち合わせ当日に持参する書類等を公証人に確認します。)


3.公証人より文案・必要金額の提示

 事前打ち合わせの内容をもとに、公証人が文案を作成し、遺言者へ提示します。遺言者は内容に問題がないか確認します。また、併せてこのタイミングで、公証人へ支払う費用の金額が提示されます。


4.公証役場等にて公証人と直接会い、遺言作成

 公証役場等にて遺言者と公証人が直接面談をしながら、2人以上の証人立会いのもと、遺言を作成します。(専門家等に手続きの依頼をしている場合でも、遺言を作成する際はかならず遺言者本人が公証人と面談する必要があります。)

 「未成年者」「将来の相続人及び相続人の配偶者・直系血族」「相続人以外の者で遺産の分配を受ける者(受遺者)及び受遺者の配偶者・直系血族」「公証人の配偶者及び四親等内の親族」等は証人になれませんので注意が必要です。



公正証書遺言のメリット・デメリット

 自筆証書遺言と比較した場合の、公正証書遺言のメリット・デメリットは次のとおりです。自筆証書遺言のメリット・デメリットこちらをご覧ください)

メリット デメリット
確実に有効な遺言を残せる (公証役場との調整等の)
手続が面倒である
家庭裁判所の検認が不要 費用がかかる
筆記が出来ない人でも
遺言を遺すことができる
証人を用意しなくてはならない
偽造・変造の恐れや
失くす恐れがない
 

 

メリット

 公正証書遺言は、公証人という法律のプロが作成する遺言であるため、ほぼ確実に有効な遺言を残せるという点が最大のメリットです。

 また、自筆証書遺言の場合、遺言者が亡くなった後、家庭裁判所にて「検認」という手続きが必要になりますが、公正証書遺言の場合、検認の手続きは不要なため、残された相続人は簡便に相続手続きを行うことができます。(検認とは遺言の偽造変造を防止するために家庭裁判所で行われる手続きですが、公正証書遺言は原本が公証役場で保管されるため、偽造変造の恐れが無く、検認の手続きが不要とされています。)

・「検認」についてはこちら

 そして、公正証書遺言の場合、実際に遺言を作成するのは公証人であるため、筆記ができない人でも遺言を残すことができます

 加えて、公正証書遺言は原本が公証役場で保管されるため、第三者に偽造変造されたり、遺言を失くしてしまったりする恐れがないことも大きなメリットと言えます。

※当事務所では「確実に有効な遺言を残せる点」「遺言者が亡くなった後、相続手続きを行うにあたって、公正証書遺言の方がスムーズに手続きを行える点」から、公正証書遺言の検討をお勧めしております。

デメリット

 公正証書遺言を作成するにあたっては、公証役場との調整証人の用意が必要になるため、ご自身でお手続きをなされる場合は、自筆証書遺言に比べ手続きが煩雑になります。(当事務所にご依頼いただければ、公証役場との調整はもちろん、証人を手配させていただくことも可能です。ただし、証人への謝金が別途必要になりますのでご承知おきください。)

 また、公正証書遺言の場合、遺言の目的となる遺産の価格に応じ、公証人への手数料がかかりますので、自筆証書遺言に比べ、費用がかかります。